嘲う罠

祖母が逝去した。
禍福がセットでやってくることは多々あるが、これは流石にきつい。
大分前から入院しており、最近食事を食べられなくなった、て話は聞いていたが、それも命に別状があるようなレベルではなかったのに…。


田舎の、それなりに続いている家だけあって、通夜や告別式では一族郎党揃い踏み。
お陰で、式の空気は厳粛ながらも何とはなしににぎやかで、涙腺にプレッシャーを感じるようなことはなかった。
通夜が大雨で、告別式は快晴だなんて、いかにも彼女らしく、不謹慎だが微笑ましいくらい。
親族代表が挨拶の最中に言葉を詰まらせた際、とあるお子様が「ないちゃだめだよ〜」て言いやがったのには、思わずクスリとさせられた。
ベタもいいところだが、ガキンチョGJ。


が、それらが済んで、近親者以外がいなくなった自宅で、ぽつねんといつものように日記を付けている祖父を見たら、ちょっと泣きそうになった。
祖母が亡くなったことそのもののショックで心が麻痺している時間なんて、残りの人生に比べれば一瞬でしかない。
それが抜けて、半身が欠けたことによる空疎な感覚を引きずって行くその先の方が、ずっと辛いんだろうなぁ、て想像したらつい…(´_`。)