ハードボイルド+百合ップル=???

ホワイト・ファング―狼よ、月影に瞑れ (トクマ・ノベルズEdge)

ホワイト・ファング―狼よ、月影に瞑れ (トクマ・ノベルズEdge)


良くも悪くも「ライトノベル以上、ハードボイルド未満」の煽り文句が相応しい一冊。
それが主人公に属しているのか否かという点こそ既刊とは異なるものの、理不尽かつ圧倒的な暴力に対して主人公が葛藤する様を淡々と綴る氏の作風は相変わらず。
この辺りは間違いなくハードボイルドと称しても問題ないだろう。
にも関わらず、随所(と言うほどでもないが)にちりばめられた百合成分が何かを台無しにしているように思えてならない訳で。
おにゃのこ同士で入浴*1とか、おにゃのこ同士でキスシーン*2とか。どうした麻生?いいぞもっとやr


マジメなハナシ、主人公達が互いに妙な感情を抱いている訳でないのは良く分かるのだけれど、それでも事件の凄惨さと「こういう描写」との間でいささかアンバランスな感じを与えてしまうのは勿体無いと思う。
その辺りをもうちょっと美味しく調理できるかどうか、続刊に期待したい。

*1:イラストもあるよ!('(゚∀゚∩ゆげがじゃまをしてるけどね!

*2:ただし片方は人外。